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WORKS 施工事例

英国カントリーサイドに憧れて

春日井市

英国カントリーサイドに憧れて

英国カントリーサイドに憧れて

根底には”ヨーロッパの田舎の家”のイメージがあった、本物の石や木を用いることで、イングリッシュスタイルの歴史や伝統の持つ重みがどこからも伝わってくる家。

出逢いから

ご夫妻がモデルハウス(当時、熱田区にあったグランジョージアン)を訪ねてくださったのは1995年の8月。

グランジョージアンのデザインと、本物の家具を使ったコーディネートに自分たちの好みに近いものを感じられたそう。グランジョージアンの面影を残す外観はいたってシンプルで、室内にこのような空間があるとは予想できません。

濃厚な家づくり

1997年3月に着工し、暮に竣工。この間、打ち合わせにかけた時間も膨大なもので、ご夫妻は、毎週、両手に資料のぎっしり入ったバッグを抱えて打ち合わせにいらっしゃいました。
その中身のほとんどは海外の雑誌の切り抜きで、それらがディテールの参考になっています。
クッキングストーブをはじめ雑誌の切り抜きを頼りに探し出したものもたくさんありましたが、ご夫妻はこれと思うもの見つけに、しばしば東京まで足を運ばれたし、海外から取り寄せられたものも多くありました。
「思っていた以上の完成度」とおっしゃるご主人の横で「これは無理、とみんなが思ってもフロンヴィルは応えてくれちゃった。だから、だんだんエスカレートしたかもしれない」と、奥様。
「全体の調和という点からはおかしいかもしれません」と言いながらそれぞれの場面において、「やりたかったこと」を愉しまれたよう。キッチンをはじめ部屋ごとの冒険も多く、「単に色を統一するというようなことが調和ではない」と担当者は語ります。

職人さんが誇る家

職人さんたちがこの家の建設にかかわったことを誇りに思っていると聞きました。
難しい注文も多かったけれど、みんなが「ここまでやったのだから、とことんやろう」という気になったそう。大工さんは、サラリーマンの息子さんを現場に連れてきて、キッチン天井に梁を取り付ける作業を手伝わせた。また、タイル屋さんは、施工後のある日、「見せてやって欲しい」と奥さん同伴でやってきた。
オーナーご夫妻の磨かれたセンスと、家づくりへの熱い思いについていこうと、みんなが一生懸命だった。だから、全員がここで残した仕事を自分自身の歴史の中にしっかりと書き留めておきたいと思ったのです。

イギリスのカントリーサイドの暮らし

「動物が大好きですから、いつもかたわらに犬や馬がいるような、イギリスのカントリーサイドの暮らしが憧れでした」

愛犬との暮らし

Nさんの理想は単なる室内装飾といった枠組みを抜け出して、人間と動物、自然と文化が溶け合ったライフスタイルそのものへと向けられて。
それは同時に安直なカントリースタイル的なものではなく、使い込まれた木や石のどっしりとした質感が醸し出す落ち着きと温かさのある本物の空間を志向していました。
ご夫婦と3匹の愛犬が本当にくつろげる居心地のいい空間作りをめざし、丸2年余りの歳月を経て完成。
愛犬への思いやりと暮らしをエネルギッシュに謳歌する研ぎすまされた感性が、そこここにあふれています。

インテリアのコレクション

アンティークもレプリカも混在したインテリアの数々。共通するのは実際に使えること。
家を新築すると昔の家具が合わなくなるとのありがちな悩みも、スタイルが確立しているNさんには無縁です。
たとえばダイニングのどっしりしたパーティテーブルセットは、ゆったりとした低めの椅子が気に入って昔からご愛用。
隣のダイニングの赤い壁にも調和している。暖炉前の赤い花柄のソファーは、かつてマンションの和室に合わせて使っていたもの。
これほど完成度の高いインテリアであっても、見かけのスタイルだけに惑わされることなく、日頃から使い勝手や日常性を大切に物を選んでいるとか。
「アンティークは好きですがそれにこだわることはなく、好みに合うか、使えるかどうかのほうが大切。だからレプリカや通販物も区別なく取り入れます」
選ぶ時も、たとえ行きつけの店でも本当に気に入らなければ購入しないし、反対に通りすがりの店で大物を即決することもあるそうです。
また、好きな色が昔から決まっているので、バラバラに買ってもいつの間にか揃うとも。自分の好きを貫き感性を磨き続けてきた暮らしの姿勢に迷いはありません。

本場から認められた家

「特別に英国風を意識したわけではなく、雑誌や映画の中で印象に残ったシーンを積み重ねていっただけ。
家族が暮らす家だからと、構えもてらいもない自然体の姿勢には感心するばかり。それでも、英国人の友達が遊びに来て「まるで、わが家に帰ったようだ」と喜んでいたそうです。
奥様は小さいときから家やインテリアに興味を持っていらしたそうです。グリコのおまけで「私だけの家」をつくったり、中学の頃には、海外の雑誌から気に入ったインテリアや家の写真をスクラップしていらしたそう。独身時代から気軽に部屋の模様替えを楽しむなど、そのセンスは時間をかけて磨かれたもの。
朽ちていくほどに木や石の質感が増していく、落ち着きと温かさとがあるヨーロッパの田舎家をイメージ

キッチンで実現したいもう一つのイメージ

「なぜか子どものころ読んだ絵本に出てくるモグラの家に愛着があるんです」その穴蔵のようなぬくもりのある理想郷は、キッチンを舞台に繰り広げられます。ヨーロッパ(イギリス)の田舎に建っている、土っぽい家(それは決してパイン材でもたらされるようなカントリーではない)へのあこがれがあり、このキッチンに奥様の長年の思いが集約されています。
幼少の頃に読んだ「秘密の花園」に出てきた家、ねずみがチョロチョロ出てきそうなキッチンに思い入れが強いです。
そんな台所には薪で調理するクッキングストーブや、ざらざらした感じの石がよく似合う。床の石は、石英石(天然石)で素材の特性をいかして乱貼りにしました。土っぽい雰囲気を出すためです。
シンクとレンジまわりは,見通しがよくスペースに無駄がない五角形。なんとNさん自らスケッチを描いて基本プランを設計したそうです。調味料や皿立てはスムーズに手が届くように、頻繁に使う鍋やツールは天井から吊るしたり、動線や収納にもとことんこだわって。
L字を描くキッチンは、カウンターの右手からかたわらにクッキングストーブが鎮座するヌックへとつながっています。
「冬はこれひとつでキッチンがポカポカになるから、休みの日はこのストーブの前で犬たちと過ごしています。煮込み料理も想像以上のおいしさなんです!」
本物の薪を使うクッキングストーブがどうしても欲しかったから、思わず熱っぽく語るNさん。
朝食や平日の昼食には小ぢんまりとしたカントリーテーブルが大活躍。その向こうにテラスガーデンの緑も風に吹かれています。