WORKS 施工事例
春日井市
昭和自動車学校/木造の施設建築
愛知県春日井市にある
昭和自動車学校の校舎
CLTと枠組壁工法(ツーバイフォー工法)を組み合わせたハイブリッドによる木造校舎を建築しました。
約250㎡の屋根全面に五層(厚さ150mm)と2階床に七層(厚さ210mm)のCLTを採用。
室内ホールや外部軒裏を“あらわし”仕上げとするなど、木のぬくもりと香りをふんだんに感じる空間としました。CLTにはJAS認定の国産ひのき材を採用。職人の選別による無節(節の無い)仕上げが実現され、見た目の美しさも魅力的な意匠です。愛知県初の400㎡を超える木造建築校舎です。
・CLTとは・・・Cross Laminated Timber(JASでは直交集成板)の略称で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されている。
・”あらわし”とは・・・別名で「躯体現し」とも呼ばれる建築手法で、通常は建物の構造体の上から、板やクロスを貼って内装を仕上げるところを、あえて露出させて骨組みを見せる手法。
・愛知県初・・・カナダ林産業審議会(COFI)「ツーバイフォー工法 中・第規模木造建築実績業者リスト(2022年5月)」による。
【詳しい施設案内はこちら】昭和自動車学校のオフィシャルホームページ
「昭和自動車学校」建築概要
住所:愛知県春日井市味美西本町石塚1850番地
構造:枠組壁工法およびCLT(2階床、屋根)/階数:2階建て
建築面積:250.51㎡/延床面積:446.90㎡(1階床面積:196.39㎡、2階床面積:250.51)
木造建築が選ばれた理由
今回の昭和自動車学校木造校舎の建替え事業にCLTとツーバイフォー工法によるハイブリッドな木造建築が選ばれた主な理由は下記のとおりです。
経済性
・建築コストが安価(JAS構造材補助金等も活用)
・減価償却の早さ(木造は17年、RCは39年)
・断熱効果が高い→光熱費が下がる
木の質感、機能性
・広い面積のCLTあらわしの空間
・利用客に対してのリラックス効果
・従業員に足腰への負担軽減効果
・断熱性が高く、触れたときに温かみがある
環境面
・「植林→育成→利用」といった循環して持続可能な資源の活用
・S造やRC造のおよそ4倍の炭素貯蔵量
・2021年改正木材促進法による国の後押し
・SDGsに積極的な企業として強力なPRが可能
木造施設建築に注目が高まる
地球環境配慮の観点から「公共建築物等木造利用促進法」が2010年に施行されて、公共の木造建築が顕著になってきたのは法令の整備が進んだ2014~2015年頃からです。外装や内装だけでなく、仕上げて中に隠れてしまう構造躯体に大量の木材を使うことがエコロジカルでエコノミカルな意味があるでしょう。4~5階建て程度の低層施設は木造で建てることで建設費を低減でき、工期を短縮できます。建築主にとって、建設コストを抑え、かつ事業を早く始められる点が大きな魅力となります。それと共に、環境への負荷を考えたとき、鉄筋コンクリートに代わって木材を選択することは価値あることです。
愛知県でもクリニックや店舗、今回の校舎などの木造施設建築の注目度が高まっています。