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健康な庭づくりのためのヒント【第17回 床を張るときに知っておくべきこと】

床を張るときに知っておくべきこと

庭にかかる費用のなかで値段が張るのは、車庫や敷地境界壁を除けば、コンクリートやブロック、レンガ、木材などを使う部分で、特には床の部分となります。具体的には、駐車スペースの床にコンクリートを打つのか、建物から出られる木製デッキをつくるのか、小道を石やレンガを張ってつくるのか、レンガのピザ窯などの特別な構造物をつくるのか、などのことが庭の予算を大きく変化させるということです。庭の中で植物代というのは、大きくは樹木に予算を取られますが、その他の草本類はあまり費用を必要としません。

ということで、今回は突然ですが最終回。

庭のなかで非常に重要な位置を占めている床についてお話をします。というのも、床というのはそのデザイン性の豊かさが興味深く(あれこれ出来ることはたくさんあるということです)やりがいのある部分であり、実際、植物と床との組み合わせは無限に広がっているので、庭の面白さを感じられる部分であるからです。ぜひとも庭の床のデザインに自分も関わって、自分の庭をつくる楽しさを感じてほしいと思うのです。

管理のしやすい床とは
そして、管理の点から言えば、庭においてコンクリートやレンガタイル、デッキなどの面積が増えることは、好ましいことと言えます。庭のメンテナンスは、枯れたものを取り除くことや水が足りないときの水やり、その姿が乱れたとき、あるいは乱れることを事前に防止するための剪定などの、植物に関わる作業がその大部分を占めています。メンテナンスの頻度もコンクリートやレンガよりも高くなります。そのため、植物を植える面積が減れば、それだけメンテナンスの手間がかからなくなります。これは、無理のない庭をつくるという、健康な庭づくりの出発点にもなります。

しかし、コンクリートやレンガタイル、デッキなどの面積が極端に増えてしまうと、こんどは費用が跳ね上がります。ですから、かけられる費用と全体予算、植物の費用、維持管理に費やせる時間と手間などの懸案事項をすべて同じテーブルの上に乗せて、各々が満足できる割合や程度を決めなければなりません。

というここまでを大前提にして、庭の床を計画するときの基本的なルールをいくつか述べてみます。参考にしてください。

出来るだけ良い材料を使うこと
庭に床をつくろうとするとき、それが駐車スペースなのかパティオなのかデッキなのか、はたまた小道なのか、それぞれの状況で作りたいものや必要なものがあると思います。今回は舗装面をつくることをテーマとし、ウッドデッキなど他のものについては別の機会に譲りますが、どのようなものであれ、予算のなかでできるだけ良い材料を使うことをお勧めします。そうはいっても、と思う方もいるでしょう。ですが、良いモノにはやはり理由があります。主に気になるのは耐久性や安全性、外見です。やみくもに1番良いものにするという意味ではなく、あくまでも予算が許す範囲で良い材料を用いるべきであるということで、量よりも質、面積は二の次にしてしまうこともできます。

迷ったら小さな場所を整えること
迷ったら、安い材料で大きな面積の床をつくるよりも、高い材料で小さな面積の床をつくることをお勧めします。また、計画の段階でどこの床を張るのかをよく検討して決めておくことが重要です。材料自体は、後から決めてもかまいません。ひとたび床を張ってしまえば、コンクリートも煉瓦や石であっても、重たくて動かすことは不可能になります。ですから、場所をまず決めます。面積については、駐車スペースや小道、人が寛ぐパティオ、どれにも最低限度必要な面積というのがあります。それは確保しなければなりませんが、その場合でもデザインによって、ある程度は融通がききます。例えば駐車空間で日中は車が出払っていることが多いのであれば、タイヤが乗る部分を残して残りはリュウのヒゲなどの踏圧に強いグラウンドカバーを植えて処理することもできます。こうすると前面を舗装するよりも費用も材料も少なくてすみます。また、英国輸入のアンティークレンガを張りたいけれども、今は数が揃わないことも多く、また面積を広くすると価格が高くなってしまうことがあります。床のルールは、より小さめの場所をより良い材料で舗装するのが基本ですが、ある程度の面積の増加は、他の材料との組み合わせとデザインで補うことができると覚えておくのもよいでしょう。

適切な材料を選ぶ
舗装の材料はコンクリートからレンガ、自然石までさまざまです。なにを選ぶかは建物外壁との兼ね合い(バランス)、デザインのイメージ、歩行のしやすさ(安全性)、見た目(色など)、その他の機能的な理由などさまざまです。このとき、張った後のことも考えてください。例えば、レンガは濡れると滑りやすくなります。ということは、良く湿っている環境の歩行空間には向きません。苔が生えたら掃除もしなければなりません。安全上の懸念については、舗装をする前に専門家と相談することをお勧めします。

効果的な床の張り方
外の部屋である庭と家の中をどのようにつなげるか、というのは永遠のテーマです。
転倒をしないように、足元が滑らないように、車椅子でも動けるようにと、高低差を付けずに、また、材料も吟味してバリアフリーなデザインが求められることは多いです。しかし、そうした考慮しなくても良い空間であるならば、実は、高低差のあるレンガ張りの空間はとても素敵なものです(それでも滑らないように定期的な掃除は必要です)。このとき、階段はわずか2段、3段でもよく、角をはっきりさせて比較的に浅く仕上げます。蹴上と踏板は歩きにくくないような工夫をして、踏段に敷石を、けあげにレンガを使うことが一般的です。

=追伸=

お庭の相談を受け付けますのでご遠慮なく。

小出兼久 ランドスケープアーキテクト,ASLA, 岡山県立大学非常勤講師

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Email. k.koide@docomo.ne.jp