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健康な庭づくりのためのヒント【第12回 秋にはそれまでの土を見直してみる】

【第12回 秋にはそれまでの土を見直してみる】

健康な庭をつくる秘訣は、なんといっても土を良くすることです。
これは第2回にも書きましたが、大事なことなので今回も思い出してください。

土は、植物にとって必要な水分を維持し、また、食物の源であります。「畑づくりは土づくりから始まる」という言葉を聞いたことがある方も、いらっしゃると思いますが、庭づくりも同じです。土は、植物がしっかりと根を張れる土台となり、水分や栄養を提供します。健康な植物には健康な土が欠かせません。もしも、植えた植物が(水やりはそれなりにしていたのに)途中で枯れてしまったり、ひょろひょろと弱く育ったり、病気にかかりやすかったり……などの現象に遭うのならば、庭の土が悪いのかも?と疑ってみることをお勧めします。

では、庭の土が良くない場合、どのようにしたらよいのでしょうか。
一般に良い土は、排水がよく保水にもすぐれ、栄養分もそれなりに含んでいるものと言われます。とはいえ、あくまでこれは一般の話で、砂漠の植物と湿地の植物を同じ土で育てることに無理があるように、また、ふかふかの森林で育つ植物と風が吹きさらしの高山で育つ植物とは求める土が異なるように、植物の環境によってよい土の基準というのは変化します。
良い土というのが1種類存在するのではなく、大事なことは、土の排水と保水の力、それから栄養素、このバランスが植物と合っていると、植物はストレスなく育つことができるようになるということです。また、病虫害への耐性も向上します。

そうした良い土を作るために、腐葉土あるいは堆肥を補充します。腐葉土とは落葉や枝などの有機物を分解して造られたもので、堆肥は主に牛ふんなど動物性の排泄物を発酵させたものです。どちらの方が優れているというのはありません、しいていうなら腐葉土の方が手に入りやすいのではないかと思います。健康な庭にするにはこれらを1年に1~2回ほど土に加えていくとよいのです。(※ただし、高山植物や砂漠の植物は元々多くの植物が自生環境にありません=すなわち腐葉土や堆肥を補うことはほとんど必要ありません)

腐葉土や堆肥は有機質で、肥料のようなものですが厳密には異なり、土の中の微生物や生物をふやすためのもの、土の力を発揮させるための下準備と考えると良いと思います。
土の中にはバクテリアやキノコ他菌類、原生動物、線虫、ミミズなどさまざまな生物が生きていて、土の中にある有機物を食べて分解し、自身の一部にしています。例えば、落葉はバクテリアの一部となり、おがくずは菌類となり、バクテリアや菌類は原生生物など捕食者にッ食べられて、残骸は排泄されます。腐葉土を庭に加えるということは、こうした活動をする生物たちを有機質(腐葉土は有機質です)と一緒に加えることになります。これら生物は植物の生長のためのコンディションを整えるのに役立つのです。例えば良い腐葉土というのは、土の吸水性を向上させて保水力を増加させます。それは最大で自重の6倍以上の水を維持することができます。ということは、砂質ぎみの土に腐葉土を入れれば、水の持ちがよくなるということです。逆に、重い粘土を耕して腐葉土をすき込めば……今度は、土のかさを増やし、空隙(すきま・孔)を増やすことになります。そうなると、土の中の通気がよくなり、排水がよくなるでしょう。微生物や生物たちに空気を与え、水に溶けだしているミネラルや栄養素を植物が吸収しやすくさせます。これは、排水のよい土壌を創り出します。こうして、有機物は状況に応じて、保水性を高めたり、逆に排水性を高めたりして、排水と保水をかぎりなく両立させてくれるのです。

そのほかにも、土のpHを調整して酸性土壌を中性に近づけてくれたり、病気の予防に役立つなどの効果があります。

市販の腐葉土を買うときには
いろいろなものが市販されています。どれが良いとは触れてみないと一概に言えないところですが、一応の目安はあります。まずは、植物のどういった部分が入っているのかということで、枝やバーク(木の皮ですが針葉樹の薄い樹皮と異なり、こちらはコルク質の厚めのもの)のような大きなものが含まれていない方がよいです。落葉樹の葉であっても大きなおのが残りすぎているのは分解が不十分ですので避けます。テクスチャは中程度に柔らかくごつごつしておらず、触ったら簡単に崩れるようなものがよい腐葉土です。

色は濃茶またはほぼブラックで、良いものからはよい香りがします。腐ったにおいや排泄物、不快なにおい、かび臭いにおい、などは一切しません。

すき込むのは秋または春の芽が出始める前がよいでしょう。量については、第2回の記事のうち有機物を混ぜる量はの項目を参考にしてください。

=追伸=

お庭の相談を受け付けますのでご遠慮なく。

小出兼久 ランドスケープアーキテクト,ASLA, 岡山県立大学非常勤講師

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