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健康な庭づくりのヒント【第8回 庭を飾ってみよう】

第8回 庭を飾ってみよう

庭では、植物が主役なのはもちろんのことですが、椅子やベンチ、ステップストーン(飛び石)トレリスなどのガーデンファニチャー(庭の家具)や小物を置くことができます。

主役だけでは舞台がなりたたないように、庭には脇役も必要で、脇役は舞台を整え、主役を盛り上げてその舞台(庭)を成功させるという大きな役割をもっています。

庭に脇役を入れることで、より自分の好みにあった空間にすることができます。

今回は、庭を飾る話をします。

庭に置けるもの

庭に置くことができるものはどのようなものでしょうか。答えは、なんでもです。

好みのものを置けばよいのです。一例を挙げると、トレリス、バードバス、置物、小さなベンチ、アーチ、さらには、テラコッタや陶器の鉢、また、テラコッタ以外のブリキや銅製の鉢、ガラスの小物などガーデンファニチャーやガーデングッズにはさまざまなものがあります。

こうしたものを庭に置くと「人の存在感」が庭に現れます。俗にいう、人の気配を感じるというやつですが、実はこれはとても大事なことなのです。

私たちはつい忘れてしまうのですが、庭というのは手つかずの自然、自然そのものではありません。たとえ自然に見えていたとしても、それは入念に人の手が入っている自然なのです。庭の装飾品は、そのことを私たちに思い出させ、強調してくれます。これは、私たちの庭に対する親近感を増加させるものなのです。

この庭は自分の空間だという意識を、装飾品が(無自覚のうちにも)高めてくれます。するとなにがおこるのか。つまり愛着がわくということです。次は何をしようか、と思うようになります。もっと素敵な空間を創り上げようという原動力にもつながります。庭の手入れも苦にならなくなりますよ。

まずは試しに、庭に好きなものをひとつおいてみてください。

旅先で、カタログで、店頭で。ヒントはどこにでもあります。

ふと見かけた骨董品の椅子や、テラコッタの鉢、青いお気に入りのビン、ブリキのバケツ。

自分で描いた絵を庭に飾る人もいれば、息子が幼いころに使っていた椅子を置く人もいます。

あなたのセンスのままに、自由に飾りつけてください。

例えば、古ぼけた椅子が気に入らないのであれば、ペンキを塗ってみてもいいかもしれません。

あれもこれも、と思うと面倒かもしれませんのでひとつだけ、置いてみます。

ブルーのラベンダーの花が咲き乱れる庭の真ん中にぽつんと置かれた赤い椅子。それだけでなにやら物語が始まりそうだと思いませんか。

装飾品は、庭に物語をつくるように置きましょう。

見た者の想像力をかきたてるように。

建物の壁面や塀に沿わせるように、ラチスフェンスやトレリスを立てるのも素敵です。

その根元にはツルバラやクレマチスを添えて。また、壁には陶器の飾り皿、素焼きのオブジェ、半円形のバスケット、鏡などをかけるのもよいです。床には、小人のような人形や動物をかたどった置物を置くこともできます。

成功のためのヒント
装飾品で失敗をしないようにするには、庭の中で置く場所と色を考えてみることです。

例えば、小さなバードバスを芝生の真ん中においたところで、役には立っても、見栄えとしては映えません。ここで必要なのは、足のあるバードバスを置くことです。そうすれば、芝生の中のフォーカルポイントになります。高さと大きさと周りとの関係を考えて、目立つところになにかを置くのは良いことです。またもし、池があるのならば、池の側に置かれた装飾品は、水に映ると2倍程度の大きさに見えます。

なにを置くにしても、素材と色が周りの雰囲気に溶け込めるようにしましょう。ヒントは、いろいろな色を使わないことです。その場にある色の数は、三色程度までが視覚的にまとまりを感じさせます。

そして、壁の色、花の色と合った小物を選ぶこと。赤のベンチ、サルビアの赤、赤いポストというふうに、要所要所に同じ色を繰り返して使っていくことは、空間に統一感をもたらします。

装飾品の数については、少なくて目立たないと寂しいのですが、逆に多すぎると庭に落ち着きがなくなります。理想としては、適切な場所に質の良いものをひとつ、ふたつ。

いろいろなところにばらばらに装飾がしてあるのよりも、ここぞという場所に視線の誘導はしぼって行うと上手くいきます。

=追伸=

お庭の相談を受け付けますのでご遠慮なく。

小出兼久 ランドスケープアーキテクト,ASLA, 岡山県立大学非常勤講師

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Email. k.koide@docomo.ne.jp