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健康な庭づくりのためのヒント【第6回 庭の来訪者】

【第6回:庭の来訪者】

庭づくりは個人的な楽しみですが、自分の庭が自分以外にも気に入られているのだと知ることは、嬉しいものです。そして、その対象はなにも、人間に限った話ではありません。あるとき、なんの気なしに庭を眺めてたら私は気づきました。

蝶が沢山来ている!

目の前にランタナの木があり、ピンクと黄色まじりの花が、今を盛りといくつも咲いていました。その周りをアゲハチョウが2匹飛んでいたのです。

アゲハチョウを見るのも久しぶり……いや、違う。昨日も見たぞ。そういえば、最近蝶が来ることが多い気がする、と記憶をさかのぼりつつあたりを見回してみたら。

いました、いました。

少し離れた場所のランタナにもアゲハチョウが1匹、さらには黄色の水菜の花やギボウシの花の周りにもモンシロチョウが2匹ほど飛んでいて、そのときはなんと計5匹の蝶が、庭を訪れていたのです。

調べたところ、蝶には決まったルートを飛ぶ癖があるそうです。また、1匹くると、2匹目や3匹目も同じルートを来るようです。だからなのでしょうか。私の庭にはしばらくの間毎日、朝から午後3時頃までの時間帯に、アゲハチョウやモンシロチョウ、モンキチョウ、名を知らぬ蝶など、数匹がやってきていました。現在はいなくなりましたが、あのように、一時期だけでも蝶にここを気に入ってもらえていたことは、非常に嬉しく感じています。事実として、都心で蝶を見かけることなど、最近はほぼありません。ですから、一層嬉しかったわけです。

蝶の好む植物を植えてみる

蝶を庭に呼びたいと思った方がいらっしゃるかもしれませんね。そこで、蝶を庭に呼ぶためのヒントを書いておきます。

それには、蝶が好む植物を植えることです。それだけで、もしも周辺に蝶が生息しているのならば、蝶がその植物にひかれて、庭にやって来るようになります(周辺といってもかなり遠くからも来ます)。一般にこのような植物を食餌植物と言います。これは、名前のとおり、「餌(えさ)」となる植物のことですが、蝶の場合、幼虫と成虫とでは姿が異なり、それぞれの生態も、食べる植物も異なります。つまり、幼虫のイモムシが育つのに必要な植物と、成虫である蝶が食事をする植物は違うので、呼びたい方の、それぞれの餌となる植物を植えなければなりません。多くの方は、成虫である「蝶」を呼びたいのだと思いますが、幼虫が育つ環境がなくなってしまえば、蝶の個体数の維持も難しくなってしまいます。可能であれば、幼虫の食餌植物も庭の一角に育てておけると理想的です。

サンショウ

幼虫の餌となるのは、アゲハチョウの類が卵を産み付けるのは柑橘類で、カラタチ、柚子、キンカン、ミカン、ハナユ、レモンなどがそれにあたります。サンショウもいいですね。これらの多くは香味や食材にもなるので、庭の一角や鉢植えで育てていると意外と重宝します。蝶のためでなくてもおすすめします。私の庭にはキンカンやユズがありますが、産卵の時期とみられる頃にはアゲハチョウがあたりを飛んでいるのを見かけます。

ランタナ

成虫の蝶を多く呼びたいのならば、ブッドレア、モナルダ、デイリリー、エキナセア、クロコスミアなどの植物が適しています。今回、ランタナにもアゲハチョウがよく来ると言う発見がありましたので、ランタナも良いかと思います。それぞれの植物については次回(こちら)に注意点を述べますので、参考にしてください。

=追伸=

お庭の相談を受け付けますのでご遠慮なく。
メールを含めて月1回第一日曜日に行います。

小出兼久 ランドスケープアーキテクト,ASLA, 岡山県立大学非常勤講師

BLOG :http://koidekanehisa.thyme.jp/koide/
Email. k.koide@docomo.ne.jp