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小出兼久の煉瓦物語 【第5回 煉瓦住宅のよさ】

小出兼久の煉瓦物語

【第5回 煉瓦住宅のよさ】

温暖化のせいなのか、ここ数年、夏の暑さが大変厳しくなっています。熱中症で死者もでるこの時代。私も以前、室内と油断して熱中症に至ったことがあり、復調するまでにかなりの時間を費やしました。以来、夏の自分や室内の温度管理に十分気をつけています。冷房があればすむ、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その費用が馬鹿になりません。

私たちは、都市全体を冷やす方法を真剣に考えるべきであると思います。それも、二酸化炭素の排出を抑えて持続可能な環境を実現する冷却について、真剣に考えていかなければならないのではないかと思います。仕事でそのような緑化(グリーンインフラ)を推進しているため余計にそう思うのかもしれませんが、私が最近とても関心を持っていることは、環境と建物は地続きであるということです。つまり、家と庭や外は一体で考えてよくしていかなければならない。例えば冷却であるならば、屋根緑化や街路樹で都市の表面を冷やすのと同じくらいに、建物自体も、夏の暑さを和らげるようなデザインをすることが、大事であると思っています。

面白いことに、夏の暑さを和らげることは冬の寒さを和らげることにもなります。煉瓦は建物の側で、その鍵を握っています。

煉瓦について勉強を進めていくうちに、煉瓦で造られた住宅のよさに気づきました。前回少し述べましたが、今回はより詳しく説明したいと思います。なお、ここでいう煉瓦住宅というのは、薄い煉瓦タイルを建物表面に張るような造りのものではなく、耐震を満たした構造で煉瓦ブロックを用いた住宅を指しています。

煉瓦住宅の良いところ

・耐火性および耐候性
・環境にやさしい
・断熱効果(エネルギー効率が良い)
・低メンテナンス需要

耐火性および耐候性に優れている
まず、煉瓦住宅は耐久性、耐候性(気候の変化に強い)、耐火性があることをお伝えします。例えば、強風でなにかものが飛んできたとき、それが建物の壁面に当たっても、煉瓦の壁ならばまず壊れることは少ないです。そんな事態が頻繁に発生するとは思いませんが、頑丈であることは大きな利点です。それは耐久性=寿命につながるからです。ヨーロッパの建物が中世から続くのは、煉瓦の耐久性を表していると思います(地震が少ない地域で)。台風でも安心でしょう。それから、渋沢栄一が注目したように、煉瓦は原料が土であることから木のように可燃性ではなく不燃性です。それゆえ、火災に強いという特徴は見逃せません。万が一火災が起きても延焼を防ぐ、あるいは、被害を極力小さく留める可能性があるという点で、とても優れた材料であるからです。

環境にやさしい素材である
また、煉瓦は再利用が可能です。例えば、あそこの建物で利用していたものを取り壊してブロックになった煉瓦を使ってこちらの庭で小道をつくったり、あるいは、花壇の縁取りにしてみたり、ちょっとした花台をつくったり……そんなことができます。耐震性が求められるものに再利用したいならば、その時は専門的な目と技術が必要ですが、そうでないちょっとしたものへの再利用はハードルが低いので、再利用価値は大きいと思います。また、粉砕すれば路盤をつくるときに混ぜたり、新しい煉瓦として再生させたり(これには専門技術が必要)することもできるそうで、持続可能が求められる時節にあった材料ではないでしょうか。さらに煉瓦ブロックは、カビやチリ、ダニなどが発生する可能性を最小限に抑えることができます。健康にとって朗報です。明治の際に、煉瓦の建物が湿っぽく評判が悪かったというのは、場所や床の処理が適切でなかった(湿気は大抵下から上がってきます)のかもしれません。

断熱効果やエネルギー効率に優れている
煉瓦の壁は外と中、室外と室内の熱の行き来をゆっくりしたものにします。さらに、天井や床の断熱材と組み合わせると、室内の温度を安定させることができます。これはどのようなことかというと、「冬は暖かく、夏は涼しい」ことになります。
冬は暖かな空気を室内に留まらせ、夏は、涼しい空気を室内に留まらせます。光熱費を節約することになり、結果として二酸化炭素の排出量を削減することにつながります。煉瓦住宅は今流行の環境に優しい持続可能な住宅と言えるでしょう。

メンテナンス需要が低い
煉瓦は退色しないため、塗り替えのような維持管理は必要としません。また、木のように生分解性ではないので、自然と朽ちていくことも、シロアリなどの害虫を心配する必要もありません。例えば、煉瓦の一部が緩んだり欠けたりした場合は修理することができます。
総じて煉瓦住宅は品質に優れていると思います。以前はそれに気づきませんでしたが、最近の私は、今からでも可能ならば煉瓦の家に住みたいと思っています。上に書いたように、なんといっても第一には冷暖房費があまりかからないという点が魅力なのですが、それと同じくらい外観が素晴らしいと思うのです。

小出兼久の設計研究室では、庭の相談の他、あなたの庭の大きさに合わせたピザ釜の制作も承っております。

燃料(薪・木炭・ガス)に応じて釜の構造が異なりますので、詳細は打ち合わせください。(地域の法令で可能な燃料を使用いたします)

窯の大きさは直径30cmまでのピザなら焼くことができるもので、設置場所、デザインなどは庭に合わせたオーダーメイドです。お気軽にご相談ください。

小出兼久 ランドスケープアーキテクト,ASLA, 岡山県立大学非常勤講師

BLOG :http://koidekanehisa.thyme.jp/koide/
Email. k.koide@docomo.ne.jp

山の中にある設計研究室