『あいちの木材利用施設 事例集 2025』
木の建築が描く、未来の街
このたび、愛知県が発行する『あいちの木材利用施設 事例集 2025』に、フロンヴィルホームズ名古屋の設計・施工による建築が掲載されました。
紹介されたのは、名古屋市東区の「東白壁クリニック」と、弊社の本社兼ショールーム「フロンヴィルホームズ名古屋株式会社(八事南山)」の2施設です。
いずれも愛知県産のスギ・ヒノキを使用した木造建築であり、地域の木の力を現代の建築に生かす取り組みとして取り上げられています。
木を活かした建築がもたらす「快適さ」と「環境価値」
『あいちの木材利用施設 事例集』は、県産木材の利用促進とともに、木造・木質化による空間の快適性や環境への貢献を紹介する事例集です。
木は、伐採されても炭素を固定し続ける「第2の森林」と呼ばれ、建築に利用することでCO₂排出削減に寄与します。
さらに、調湿性・断熱性・音の吸収性に優れ、働く人や暮らす人に“やすらぎ”と“心地よさ”をもたらします。
資料内でも「木造は鉄筋コンクリート造の約4割のCO₂排出量」と紹介され、持続可能な社会を支える建築としての重要性が強調されています。
木材利用は単なるデザインの選択ではなく、企業や建築主の環境姿勢を示すものとしても注目されています。
東白壁クリニック ― 医療空間にやさしさをもたらす木造3階建て
名古屋市東区白壁に誕生した「東白壁クリニック」は、ツーバイフォーとCLT(直交集成板)を組み合わせた木造3階建ての医療施設。
内科と整形外科が併設され、機能性と快適性を高次元で両立しています。
柱のない大空間を実現したリハビリ室や、CLTの天井を現しにした待合室など、木の香りと質感を生かした空間設計が特徴です。
木材のクッション性が歩行時の衝撃をやわらげ、患者への身体的負担を軽減。また、高い断熱性と気密性を備え、空調効率にも優れた環境配慮型建築です。
施工した弊社は、木構造の安全性と意匠性を両立させ、地域の並木道に調和する新しい“木の医療施設”のあり方を提案しました。
フロンヴィルホームズ名古屋 新本社兼ショールーム ― 木が語る空間
もう一つ掲載されたのは、2025年2月に竣工した弊社の本社兼ショールームです。
建物全体を通して、木が主役となる設計。1階の天井には7層ヒノキCLT、2階には5層スギCLTを現しで仕上げ、訪れる人が国産材の香りや質感を五感で感じられる空間を実現しました。
外壁には70mm厚の耐火レンガを積み上げ、断熱材にはトウヒ由来の木質素材を使用。
自然光が降り注ぐ吹き抜けや無垢材の什器と調和し、“木の家づくり”の魅力を建物そのもので体感できるショールームです。
構造的にもSPF材(ツーバイフォー材)とのハイブリッド設計を採用し、木造建築の耐久性・安定性を高めています。
ここでは、木とともに生きる住まいの豊かさを、実際の空間で感じていただけます。
地域の木とともに、持続可能な建築を
愛知県では、地域材の利用を推進する「木の香る都市づくり事業」や「あいち木づかい表彰」などを通じて、木材利用の裾野を広げています。
フロンヴィルホームズ名古屋も、これらの理念に共鳴し、“自然素材と誠実に向き合う建築”を大切にしてきました。
木の家づくりは、デザインや構造の美しさだけでなく、地域の森林資源を守り、未来の環境を育てる行為でもあります。
私たちはこれからも、地域の木を活かし、心地よさと美しさが共存する建築を提案してまいります。
掲載情報
掲載媒体:『あいちの木材利用施設 事例集 2025』(愛知県林務課 発行)
掲載ページ:P.18「東白壁クリニック」/P.20「フロンヴィルホームズ名古屋株式会社」
発行:2025年10月
ショールームのご案内
木の香りと心地よさを体感できるショールームを、八事南山で公開中です。
木の家の魅力にご興味のある方は、ぜひお気軽にお越しください。
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