煉瓦の歴史と未来
煉瓦づくりの住宅を手掛けるフロンヴィルホームズ名古屋。
レンガの製造プロセス、歴史、未来への展望を綴ったコラムをご紹介します。
1. レンガの製造プロセス
レンガは、地層から採掘される粘土を原料として作られます。製造工程は以下の通りです。
粘土の採掘と調整
適した粘土層から採掘し、色や特性に応じて粘土をミックス。原料粘土は在庫として管理され、日々の製造に使用されます。
成型方法
主に「押し出し成型」と「プレス成型」の2種類がありますが、近年はコスト削減のため、ほとんどが押し出し成型法を採用しています。
乾燥
成型されたレンガは台車に積まれ、48時間かけて自然乾燥と強制乾燥を行います。この工程で粘土中の水分を丁寧に除去します。
焼成
焼成炉で24時間をかけ、200℃から最高1140℃まで加熱。焼成後はゆっくり冷却され、炉から出る時点では200℃まで温度が下がっています。
梱包と出荷
冷却されたレンガはパレットに積まれ、出荷準備が整います。押し出し成型から出荷までの工程はおよそ1週間です。
2. レンガ住宅の魅力と特性
レンガは長い歴史の中で磨かれ、耐久性と美しさを兼ね備えた建材として、多くの地域で愛されています。
機能的特性
耐熱性、保温性、断熱性に優れる。
強度(圧縮・曲げ)や耐水性が高い。
長期耐用性を持ち、腐敗しないため、非常に経済的。
景観的魅力
レンガ独特の温かみや、太陽光に応じた壁面の表情の変化は、住まいの美観を高めます。また、経年変化による「ワビ・サビ」的な味わいも、他の建材にはない魅力です。
長寿命とメンテナンス性
レンガ住宅は50年以上汚れが目立たず、70年を超えるとむしろ風格が増します。基本的には補修不要で、100年後でも清掃程度で美しさを維持できます。
普遍的なデザイン
長方形で1対2の比率という形状は、古代メソポタミアから現代まで約6千年間変わらず使用されており、環境や人間の感性に調和しています。
3. 日本市場におけるレンガ住宅の可能性
現在、日本の住宅市場におけるレンガ住宅のシェアはほぼゼロ。しかし、レンガの優れた特性と競争力あるコストを活かせば、大きな成長が見込まれます。
市場シェアの可能性
日本の戸建て住宅市場でのシェアは、10%(約5-6万戸)を達成する可能性があると考えられます。これはオーストラリアでの80~90%という実績に基づいた推測です。
高級住宅市場での活用
レンガの材工賃は一般住宅でも高級住宅でも変わりません。そのため、技能を磨けば高級住宅市場への参入も可能です。
直接輸入のメリット
日本の流通システムではレンガが高価になりがちですが、オーストラリアから直接輸入することでコストを抑え、レンガ住宅を広く普及させることができます。
4. 未来への展望
5千年以上の歴史を持ち、世界中で愛用されているレンガは、日本の住宅市場に新たな選択肢を提供する可能性を秘めています。その特性を活かし、持続可能かつ魅力的な住宅建築を進めていくことが、これからの課題でありチャンスでもあります。
出典:ウィッシュホーム代表のコラム
フロンヴィルホームズ名古屋の手がける煉瓦の家
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