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2024.01.29

小出兼久コラム

煉瓦物語/煉瓦の舗装

小道やパティオの舗装に使われる煉瓦


煉瓦積みは、壁などの立体構造物を造りますが、小道やパティオの舗装にも煉瓦は使われています。壁の場合、煉瓦は自分自身を支えなければならなく、さらに、時には上からの荷重がかかるわけですが、舗装はこの点、壁とは異なり、下に路盤を設けて表面として張るわけで、煉瓦は下から支えられています。これはつまり、舗装用の煉瓦の方が、はるかに柔軟で、装飾的であることを意味しています。

煉瓦による舗装は壁よりも自由自在に、さまざまなパターンで張られます。どのようなデザインで煉瓦を張るかは、見た目だけでなく、設置のしやすさからも選択されます。例えば、煉瓦を切断することが少ないパターンを採用するならば、設置が簡単になり、作業にかかる時間も短縮することができるでしょう。

煉瓦の張り方は、ボンドまたはボンドパターンとも呼ばれます。これは、見た目だけのものではありません。煉瓦と煉瓦を結び付けて、離れたりずれたりしないようにするのにも役立ちます。それは耐久性の向上にも役立ち、壁の建設にとって特に重要ですが、舗装でも同じことが言えます。人が歩くだけでずれたり、壊れてしまったら困りますので、そうならないような張り方が求められます。

どのような外観になるのか。それは煉瓦舗装にとって最重要事項かもしれません。しかし、それと同じくらい重要なのは、設置のの容易さです。切断をする数が少ないパターンの方が、複雑で切断しなければならない煉瓦が多いパターンよりも、よりもはるかに速く設置ができて、無駄が少なくて済みます。
代表的な煉瓦舗装のパターンを挙げます。

目次
ランニングボンド
ヘリンボーン
バスケットウィーブ
風車
スタック

ランニングボンド


煉瓦で壁を造る場合と同じように、舗装の場合もランニングボンドにすることができます。通路やパティオの長辺に平行にとるのが一般的ですが、垂直、または対角線にすることもできます。ただし、ランニングボンドで舗装する場合、通路の両脇のエッジはよいのですが、始まりと終わりでは、他のパターンよりもカットすることが多くなることがあります。

ヘリンボーン


各煉瓦が隣の煉瓦に垂直となる、互いに90度の角度で配置されている、単純なジグザグパターンです。普遍的で魅力的なパターンであることは間違いなく、通路に用いた場合は、先へ先へと人々を誘導する力強いパターンです。ただし、舗装領域では基本、十全に煉瓦を張れるのですが、まっすぐなエッジが必要な場合は、直線を形成するために、最も外側の煉瓦はすべて45度の角度で切断しなければなりません。

バスケットウィーブ


煉瓦で舗装をする際に、もっとも手軽で、もっとも効率よく、切断する必要数も少なくてすむ舗装パターンです。これは、煉瓦をペアで並ばせて正方形のパターンにする配置であり、各ペアは隣接するペアに対して垂直にします。となると、正方形で舗装領域をぽんぽんと埋めていく簡単なパターンであるとみなしてもよいでしょう。最も単純なつなぎ方であり、その視覚効果はバスケットを編んだように見えます。その装飾的な価値と設置の容易さの両方の理由から、パティオのような四角四面の場所の舗装として、人気のある選択肢です。

風車


風車(ピンウィール)という舗装パターンをご存知でしょうか。棒にピンで止められてくるくる回る風車のように、4個の煉瓦を巻き込むように4つの辺に見立てて並べ、正方形をつくると、中央に煉瓦半分の小さな正方形ができます。半分の煉瓦でその中央を埋めます。かんたんなバスケットウィーブよりも技術は必要ですが、風車は少し複雑で面白くて見栄えの良いパターンです。煉瓦の切断は、2つの風車パターンごとに1つ行う必要があります。

スタック


ジャックオンジャック舗装とも呼ばれるこのパターンは、偶数行でつくる長方形グリッドです。整然とした幾何学的なものです。このパターンは実のところ、舗装よりも壁面で使われることが多く、しかも耐力壁よりも装飾壁で使用されます。常にモルタルで固められており、移動や破損はしにくいです。舗装にした場合は建物壁と同様に、すっきりとしたグリッド線が強調されますが、選択した煉瓦素材がごつごつとした手作りのような多少の不格好さを持つ場合、すっきりとしたグリッド線が歪んでしまうので、素材選択に注意が必要です。グリッドパターンの映えるパティオや通路のエッジ部分に適しています。

煉瓦のボンドパターンを2回にわたって紹介しました。もしも敷地で煉瓦積みや煉瓦舗装をすることが出来る場合、参考にしていただきたいと思います。

著者情報/小出兼久

特定非営利活動法人日本ゼリスケープデザイン研究協会(JXDA)代表理事。ランドスケープアーキテクト(ASLA)。1990年代よりランドスケープにおける水保全の研究を始め、2003年の第3回世界水フォーラム京都会議では分科会「庭から水、世界を考える」を主催し、成果の発表と日本で初めてランドスケープにおける水保全の必要性を提唱した。2005年第10回ゼリスケープ会議(米国ニューメキシコ州)および低影響開発国際会議シアトル・アジア地域(米国ワシントン州)に日本から初めて出席。2010年には生物多様性国際条約フェア(COP10国際会議と併催)に出席し、以来、低影響開発の普及を目指して活動を続けている。ランドスケープアーキテクトとして雨の庭を実践した作品群は日本や海外で生物学的な受賞歴を持っている。

建物と庭のトータルデザインを手掛ける点でフロンヴィルホームズ名古屋とは考えがマッチし、特に煉瓦の家に関するプロジェクトに興味を持っていただき、コラムの連載が実現しました。
また、当社のフロントガーデンの一角に、日本初・名古屋初の「雨の庭」のモデルガーデンを施工していただきました。